iPhoneのタッチパネルの所感

企業で携帯電話の製品開発を携わってきた経験から、iPhoneのタッチパネルが静電容量方式を採用したのは驚きでした。この方式だとガラス画面で綺麗なことと、iPhoneコンセプトの必須のマルチタッチができるための採用と思うが、日本の企業では基本的には採用は難しい。まず、静電容量方式だと高齢者の乾燥した指では認識されないことが発生する。高齢の営業部長が使えないような製品は強い抵抗に合う。また、携帯電話のユーザーの若い女性の綺麗にペイントされた爪の先でも使えないとなると、殆ど採用は絶望的であった。そのため、日本でのタッチパネル入力技術は、どんなペン、手袋で操作ができ価格が安い抵抗膜方式に力点が置かれていた。しかし衝撃に弱い/寿命が短い/光透過率もいまひとつのため、さらに、画面の前に膜があるので、使用頻度が高いと膜が劣化して、見るにも耐えない。つまり、見た感じがとても美しとは言えない。しかし、タッチ先を選ばないという優れた利点があり、開発者全員がこの魅力のため、拭い去れない固定概念(バカの壁)があった。iPhoneの明快なコンセプトが、静電容量方式採用のドラッカーの言うイノベーションを起こし、インタフェースの世界が新しいパラダイムにシフトしているのではないか、・・。