クロスモーダルインタフェースについて

政策大学院大学の池本教授が、鳴海先生(東大)を招聘して「クロスモーダルインタフェースと体験のデザイン」の講演を依頼し、その内容のコメントがフェイスブックのタイムラインに載った。その内容を下記に転記します。
「一例ですが,VRで食べ物を大きく見せると食べる量が減る!,相手が笑っているように見せてテレカンするとアイデアが増える!,同じ重さでも白より黒のほうが重く感じる(筋力を使う)!など….ヒトは限られた感覚刺激でも五感で受け止めているんですね.認知科学や心理学を活かしたVRは,ヒトの言動や能力までも変えることができるんだそうです.まさに,リアルなコミュニケーションではできない,人や社会を幸せにする技術・研究だと思いました.」
また、鳴海先生の研究の特集記事がありますので、下記に転記します。動画も載っているサイトで、詳しくクロスモーダルインタフェースについて解説している。
●「現実を編集する」インターフェース研究――鳴海拓志さんインタビュー(後編)
http://www.huffingtonpost.jp/katsue-nagakura/interface_b_8646496.html

(補遺)クロスモーダルの例
■腹話術効果:腹話術師の口元から発せられているはずのセリフが、腹話術師が手に持った人形から発せられているかのように聞こえる現象。口を動かさずに音だけが出ているもの(腹話術師)と、口が動いていて音は出していないもの(人形)とでは、見た目で音を出していそうなほう(人形)が音源だと錯覚されてしまう。音源定位の感覚が聴覚ではなく視覚に引きずられる例。
■マガーク効果:「が」を発音している映像を見せながら「ば」という音を聞くと、「だ」に聞こえるという現象。目をつぶる(「が」の映像を見ない)と「ば」に聞こえるが、目を開けたとたんに「だ」に聞こえるようになる(聞いている音は全く変わっていない)。耳で聞いた音がどんな音に知覚されるかは、聴覚だけで決まっているわけではない事を示す有名な事例。