体の仙骨で座るタイプの椅子

今年の6月の日本人間工学会の特別講演で、早稲田大学名誉教授の野呂先生が、椅子の座るタイプとして、大別して、従来の背中で座る西洋式のモノと、日本の禅で有名な仙骨で座る日本のタイプがあると説明された。近年は、仙骨で座るタイプがオフィスの椅子や学習机の椅子に適していることが実験から明らかになってきた。本学の石原教授は、そのタイプの椅子やソファを数年前から開発して製品化している。子息に高価な学習机を購入しても、勉強の姿勢に不適な椅子出会っては子供たちが勉強に集中できない。大人は我慢するが、小さい子供は素直なので無理である。広島にいる同級生の家具デザイナーから依頼があり、高齢者向けのダイニングテーブルの椅子に展開する話が持ち上がった。立座の椅子の文化を持たない日本の古来の平座の文化が、西洋の椅子の文化に新たな可能性を与えるというのは好ましいことである。
ところで、一昨年度まで、数年間、茶道部の顧問をしていたが、正座に絶えられなくて、顧問を辞退した。近頃、仙骨で座るタイプのクッションを石原先生から頂き、それを使って正座をすると期待通りとても楽であった。早速、茶道部の石坂さん(写真の左)にそれを手渡して、茶道部の正座の苦手な部員に試してもらっている。好評のようである。なお、新任の顧問の先生が産休に入ったので、目下、私はその代理をしており、石坂さんが書類に捺印をもらいによく来るので親しくなった。話していて、とても楽しくなる学生である。下記は、その際の記念写真である。石坂さんの名前を良く間違えるので、その備忘として。