いいものが売れるのではなく、いいと思われたものが売れる

木村博史(著)「人を動かす言葉の仕組み」(角川フォレスタ)で述べられている題目の考え方が興味深いので、下記に引用します。
この考え方は、「価値は、コミュニケーションによって決まる」という最新のマーケティング理論にも通じる考え方です。
これは、私の研究「見た感じ使いやすそうなデザイン」(視覚的な使いやすさ感の研究)にも関係します。

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 題目はビジネスの世界においては真理です。逆に言えば、「いいもの」と思われなければ、いくら「いいもの」でも売れません。だから、その「いい」と思われるような表現をしていかなくてはいけないし、「そのお手伝いをします」という話し方で営業をするわけです。
 なかには、「40年も研究してきて、ついに開発に成功した最高の商品だから、絶対に売れます」と言う人もいます。
けれども、いくら苦節40年でも、頑張ってきても、いい商品でも、いいと思われなければ売れないのです。
苦節40年は、基本的にはお客さんには関係ありません。その40年のストーリーが付加価値となるよう表現できれば、1つの武器にはなります。
「こんなに頑張ったのに、何で売れないんだ」
 これは“自分主語”です。お客さんにその商品のよさを伝えられなければ、売ることは難しいのです。
 「自分はこんなに頑張っているのに上司が認めてくれない」
 これも“自分主語”です。私もサラリーマンでしたから、こうした気持ちはすごく分かります。
 けれども、「会社が悪い」「社会が悪い」「国が悪い」と責任転嫁していっても、誰もあなたのことは認めてくれません。認めてもらえるような働きかけ、努力が必要なのです。
 いいものは売れない。いいと思われたものが売れる−。
 伝わらないのは、伝える努力をしていないからなのです。

●引用のサイト
http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20140923/ecn1409230830002-n1.htm