エクセルを用いた最尤法のコンジョイント分析手法の制作

過日、紹介したゼミ3年生の濱松君が、どのような直交配列でも利用できるようにした、つまり、汎用的な最尤法のコンジョイント分析手法を完成させました。そこで、来年3月上旬に九州大学で開催予定の第6回日本感性工学会春季大会で、そのソフトのデモが可能なポスター発表をします。
なお、コンジョイント分析は主に計量心理学の分野で誕生し、その後マーケティング・リサーチや経済学などの分野で研究が進められた手法です。その手法には完全プロファイル評定型(代替案の好ましさを点数で回答)、ペアワイズ評定型(対立する二つの代替案を提示してどちらがどのくらい好ましいかを回答)、選択型(複数の代替案を提示して最も好ましいものを回答)などの複数の質問形式が開発されています。その中で最も優れている選択型では複数の代替案が回答者に提示され、回答者は最も好ましい代替案を選択(代替案がなくなるので繰り返し実行)する。提示された代替案の内容と回答データとの関係を統計的に分析することで、代替案を構成する属性単位で価値を評価します。選択型の質問は、消費者がお店で複数の商品の中から購入商品を選択する行動に近く、被験者が回答しやすいという大きな利点(解も安定している)があります。しかし、それには条件付ロジット法(最尤法で解を求める)という特殊な推定方法が必要で、これまで高価な上級者向けの特殊な統計アプリケーションだけでした。今後は、プロファイルカード作成と提示の画面を、インターネット上で回答ができるように、PHPソフトを用いてより使いやすいものにするように学生を指導しています。2年後には、それを誰でもが購入できるようにする計画です。