グーグルの本のマラソン書評(第2章)

「グーグル、ネットの覇者の真実」の第1章では、グーグルの検索サイトの誕生から将来への展望が技術的な視点から書かれていた。たくさんのユーザーが使えば使うほど賢くなる自動翻訳と音声認識が、近い将来、多言語間の会話が英語を通さなくても可能になると予測される。これから生まれる学生らは英語が必修にならないかもしれない。さて、第2章は、前章と話題が代わり、サイト検索機能を活用した広告の話題である。ここでも従来の広告業界の常識を覆すことをペイジとブリンは始める。
■第2章へ、アップルと同様に投資家からの要請で、ベテランの経済者を迎える。しかし、マーケティング担当は拒絶。ユーザーからの口コミで高い評価で十分と判断。ペイジとブリンは、検索して即時に欲しい結果が出ることを究極まで追求する理想主義者。利益よりユーザーの満足を優先したので、当初は赤字連続。
■ユーザーと企業にも優しい独創的なアドワーズと呼ぶ広告システムの開発で急激に黒字化。さらにコンテンツと適合した広告を表示するアドセンスの開発で収益増大。プリンらは広告は目立たないことを徹底。他社のどぎつい広告を非難。グーグルは広告もユーザーの満足を支援する一つを目指した。全く凄い!【追記、高松での学会の大会で、バナー広告の目立ちやすさの研究があったが、座長として、その研究の目的に疑問を挟んだ】
■グーグルはアップルと同じように、ユーザーエクスペリエンスの最大化を徹底。それを求めれば利益は後から付いてくる考え方。先ほど広島に戻った。150ページ程読む。今週末の学会出張で、さらに100ページを目標に。グーグルを知らずして未来は語れず!
アドセンスの登録を簡素化することやコンテンツの審査を見直すことで、登録会社が数千から数十万になり、広告の収益が向上。使い勝手の良さが経営に貢献。グーグルの本、163ページまで。
■グーグルの利益は、エキサイトなどの総合サイトへの検索エンジンの貸し出し。社内検索システムの企業への製品納入日。サイト広告の三種類。今日ではサイト広告の入札方式のAdWords Select が主流。以前は大手企業向けのアドワーズプレミアがあったが、誰でもが入札できるセレクトだけに。【追記、当初はヤフーに検索エンジンを貸し出して莫大な利益。しかし、ヤフーも支払い費用が巨大になり自社のものを開発】
アドワーズプレミアを廃止するというのは、これまでの広告界の常識を否定する革新的なもの。当初、グーグル内の大手企業の営業部隊の大反発だけでなく、大手企業からも驚きと拒絶が。ペイジとブリンの平等主義が押し通す。個人的には、平等の中に好ましい競争が生まれ、質の向上があるのか。p.169
アドワーズセレクトだけになり、平等化した。そこで、高性能の解析ツールであるグーグルアナリティクスを導入。そのツールで、すべての広告が測定可能になった。広告業界と言えば、ゴルフ接待などの談合的な世界から、透明性の高い科学的な分析の業界にした功績は驚きである。p.174
■この解析ツールを補強するかのように、計量経済学者と呼ぶようなメンバーが、統計や物理モデルを駆使して、広告がどれだけクリックされ、それらがどれだけ商品購入に寄与したかえを予測する広告効果最適化ツールを開発。これにより軌跡予測、事件予測なども可能に。効果予測ができるとは、凄い!