先輩らの退官

3/9-10に、都内の水道橋にある専修大で開催された第22回ソフトサイエンス・ワークショップ(日本知能情報ファジィ学会)に参加した。久しぶりに北垣郁雄先生(広島大)と中村和男先生(長岡科学技術大学)にお会いした。北垣先生(写真左)は、神奈川県にあった職業訓練大学校に勤めていた時に、美しさを評価できる手法になるのではないかと考えていたファジィ測度について教授をお願いに伺ったことが最初の出会いであった。大変親切な先生で、優しく教えてもらった。その後、私が広島に教員として転職した際に、すでに北垣先生も広島大に転勤しており交流を深めた。
他方、中村先生は、産総研の前身である製品科学研究所に勤務している時代からの付き合いである。製品科学研究所は、私の専門のデザイン分野と関係が深い公的な研究機関である。中村先生には、製品評価についていろいろと教わった。特に、ファジィ理論の有名な専門家であることを知り、中村先生との交流を通じて、ファジィ理論の基礎的な考え方を耳から教わったので、その知識が私の身についたと考える。
今回、両先生が、今年度の三月で教員生活が終わり、大学を退官するとはじめて聞いた。少し寂しい気持ちになったが、今後のご活躍を期待したい。北垣先生は都内の世田谷の自宅で、また、中村先生は自宅のある鎌倉でお住みになると聞いている。私の自宅はその中間の横浜にあるので、引き続きご指導をお願いしたいと考えている。
ところで、ワークショップの特別講演で、日本の哲学界で高名な石浜弘道先生(日本大)の「理性と霊性」のお話を興味深く拝聴した。カントの難解な「純粋理性批判」から霊性(spirituality)について平易に解説して頂いた。私の専門であるデザインという視点から、アップルのジョッブスが禅の精神を信奉して、その考え方が製品デザインに反映されていることもあって、霊性の解説が興味深かった。この件に関しては、彼のプリンシプルな考え方を形成していると考えているが、別途、詳しく本ブログでお話ししたい。
二日目の帰路の途中で、五反田にある東京デザインセンターで開催されていた母校の卒業制作展(写真はFacebook参照)を久しぶりに立ち寄った。最近はパソコンやプリンターの発展で、学生としてはとても綺麗な展示がされていたが、千葉大デザイン学科の矜持として、もう少し内容的に次世代を示唆するような荒削りな作品や研究が欲しかった。期待が高いかもしれないが、・・・。