iPhone vs Android、どっちが先?

巷では、iPhoneAndroidが真似たとの俗説が流布されているが、どうも、グーグルの本を読んでいると多少違うことが分かった。震源地は携帯電話で間違いはないのだが、開発された経緯をみると、Androidの方が早いとも言える。iPhone開発など誰も知らない頃またはなかった頃、Androidの開発者である新興企業の社長Andy Rubinが、そのアイデアをグーグルに売り込んだところから始まる。
当時はiPhoneの開発はアップルの中での最高機密であった。iPhoneに検索サイトを提供する予定であったグーグルは、その後、ある程度はiPhoneの内容を理解していた。また、iPhoneとは関係なく、グーグル側もパソコンでの検索では利用者数の限界が見えているので、携帯電話のようなどのどこでも検索できるモバイル端末の必要性は強く感じていた。そこで、Rubinの強い売込みがあったので彼の会社を吸収合併した。
その意向もジョブスは知っていた。Rubinが最初に開発していたのが、Soonerという名称の小さいキーボードがスライドして出てくるタイプのモバイル端末の携帯電話であった。ジョブスもSoonerのモデルを見ていたようで、iPhoneとは異なるので了解していたようである。RubinもSoonerを一生懸命に開発していたが、その発展系として、iPhoneに酷似したDreamがあった。
iPhoneが販売されると、グーグルはDreamの開発に舵をきったというのが経緯である。それを知ったジョブスが激怒した。兄弟のように親密な関係のあったアップルとグーグルが、これを契機に疎遠になった。
アップルがiPhoneを開発した経緯は、過去のブログでも述べたように、大成功のiPodが携帯電話に飲み込まれるのではないかという恐怖からであるので、音楽サイトなどのコンテンツに力が入っている。一方、グーグルが主体となったAndroidは、あくまでも検索数を増やす目的なので、初期画面に必ずグーグルの検索バーが表示されている。検索中心であるので、音声検索の実力は圧倒的である。画像による検索も開発されていると聞く。最近では、iPhone音声認識を真似しはじめている。基本的には、アップルはコンテンツ指向で、他方、グーグルは検索のインタフェース指向であるといえる。
なお、以上はグーグルの本、337頁〜378頁を参考にした。