Googleのインターフェースの考え方

グーグルのインターフェースの考え方について書かれている書籍は少ない中、目下、読んでいるグーグルの本の325〜326頁(下端参照)に、その考え方を明快に記述されているところがあったので、次に引用する。要するに、インターフェースのコンセプトは、デザイナーが決めるのでなくマシン主導(ユーザーのクリック動作を妨げないデザイン?)である。

グーグルの非個性的なインターフェースはかなり多くの批判にさらされている。グーグルのソフトや検索結果のページはあまりにも無味乾燥で醜いと指摘する声も一部にあった。「意図的に面白みのない外見にしているようにさえ思える」とマックOSの中核部分を開発してきた天才的プログラマーで後にグーグルに入社したアンディ・ハーツフェルドは語っている。多くの決定は、美的感覚よりもテスティングの結果に基づいて行われた。スペースの取り方や色合いを微調整するだけでアドワーズクリック率が影響を受け、数百万ドルの減益、あるいは増益につながりかねないのだ。また、ペイジ自身はパフォーマンスを低下させるどんな要素にも目を光らせており、アニメーションのような過剰な装飾をインターフェースに追加するアイデアをことあるごとに却下した。こうした環境では「芸術家気取り」のデザイナーはめったに長続きしなかった。
ある脱落者は、グーグルのビジュアル面での欠点についてブログに痛烈な批判を掲載した。だが実のところ、グーグルは美しくありたいとは思っていなかったのだ。グーグル的インターフェースの強力な保護者であるマリッサ・メイヤーは、あるとき、不満がうっ積して暴動寸前だったデザイナーたちに、彼女に提出された魅力的なデザインのどこが彼女をイライラさせるのか、明確な言葉で言って聞かせた。
「どこに何を置くか、人間の意志が決定を左右しているように見える」とメイヤーは言った。「主観が入りすぎているように見える。グーグルの製品はマシン主導であり、マシンによってつくられている。それが私たちを強力にし、私たちの製品を偉大にしているのです」
要するに、グーグルが伝えたいメッセージとは、同社の製品には人間の偏った見方が入る余地はないということだった。「それを聞いて、何だか憑の物が落ちたような気がした」とグーグルのインターフェースの責任者の1人であるマーガレット・スチュワートは言う。「マリッサは、グーグルの製品はマシン主導と明言した。この原則を公に口にしたのは彼女が初めてだった。それは私たちの今後の仕事の進め方に大いに役立った」
引用/ネット覇者の真実: http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4484111160_1.html