評価グリッド法のラダーリング法

今日、マーケティング分野で消費者の評価構造を解明する手法として評価グリッド法が広く使われています。この手法は讃井先生(関東学院大学)の東工大での博士論文です。英国に留学してキリー教授から臨床心理学の手法を応用した手法を教授してもらい、それを建築環境心理調査の手法として使いやすく改良したのが評価グリッド法です。人間の認知評価構造をベースにしているので、その応用範囲は広く、多くの分野でも活用されています。讃井先生と研究仲間であったので、かなり前に感性工学やデザイン学の分野へは私が最初に紹介しました。デザイン評価で学位を取りましたが、その評価項目の抽出(ラダーリング法)に応用しました。この手法はどのような人が行なっても同じような結果になる大きな利点(高い再現性)があります。
6月後半の2回、芝浦工大のデザイン工学科で多変量解析の手法を講義と実習をした後に、下記の写真のメンバーにラダーリング法を教えました。今月から4回の実習で、多変量解析手法を用いて、製品デザインを行います。そこでまずは評価項目抽出のために、ラダーリング法を橋田先生(右端)と3名のTA院生を指導しました。その手法の内容は省略しますが、臨床心理の手法ですので、被験者と自然な会話の雰囲気をつくるのが難しかったようです。どうしても警察官の尋問のように成りがちでした。被験者の無意識的に持っている評価用語を上手に引き出すのがノウハウです。