心理的・感覚的な価値(経験価値)

最近、学会でも現場、マスメディアでも頻繁に聞かれる用語として「経験価値」があります。この経験価値とは、製品やサービスそのものの持つ物質的・金銭的な価値ではなく、その利用経験を通じて得られる効果や感動、満足感といった心理的・感覚的な価値のことで、 この概念を提唱したバーンド・H.シュミット(Bernd H. Schmitt)によると、経験価値には以下の5つの側面(モジュール)があるとしています。
視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚の五感を通じた経験「SENSE」、スターバックスの例が示す顧客の感情に訴えかける経験「FEEL」ヘルシア緑茶の例が示す顧客の知性や好奇心に訴えかける経験「THINK」、新たなライフスタイルなどの発見「ACT」、バイクのハーレーダビットソンのファンの例が示す特定の文化やグループの一員であるという感覚「RELATE」。なお、原著は「経験価値マーケティング―消費者が「何か」を感じるプラスαの魅力」(翻訳が直訳的)、友人の早大の長沢伸也教授の「経験価値ものづくり」などの本の方が読みやすいと思います。