日本語と英語

指導した院生の酒井君が、来月から新社会人として、小型ヘリコプターの世界的な技術をもつヒロボー(株)に入社します。その前に、修士論文を投稿論文する予定です。そのため、昨日、彼と一緒に最終原稿の校正をしました。本文の方は、今月末までに修正箇所をメールで送付してもらい、私の最終校正をして完成です。ところで、要旨作成が難航しました。短い文章で内容を的確に書くというのは学生にはかなり難しいようです。会社では報告書はA4で1ページが原則です。企業は「時は金なり」です。責任者でした約2億円のプロジェクトも開発本部長に説明する際にはA3で1ページでした。短い文章ほど成果が明確になると言われています。説明が長いのは成果がない証拠です。しかし役所に提出するのは厚さが要求されます。だから・・・(お察しの通り)。彼には、すぐに直面する課題でしたので厳しく指導しました。さらに難航したのが、日本語の要約を英文にすることでした。最近の教育課程は会話重視ですので、英作文は指導されていない印象でした。最近の学生は、英語よりも、日本語力がかなり落ちてきています。「日本語と英語とコインの裏表ですので、日本語が上手だと英語も向上し、他方、英語力が上がると日本語も良くなる」と昔から言い古されたことです。英語は構文が確りしていますので、それさえきちんと理解していれば、綺麗な英文が作成できるのですが、今日の学生は、構文の確りした日本語が作成できないという矛盾があります。文語調の綺麗な日本語の文章を読んでいなく、さらに、きちんとした英語の文章も読んでいないので、機械翻訳のような摩訶不思議な英語になります。学生には、構文の確りした英文とはどういうものかを叩き込みました。社会人になって、海外の人々とメールをすることがあると思いますので、院卒のレベルの英文を期待します。