インテリアデザインのラフ集合研究

昨日、下記の写真の大和ハウス工業の鈴木さん(左側)と研究会議を行ないました。今回で3度目の来校です。サンプル写真を用いたラダーリング(評価用語などを抽出する臨床心理学的な手法)を行ったので、その結果の検討を行ないました。鈴木さんはもとても熱心に取り組んでいますので、今後の研究結果が楽しみです。詳細は別の機会に紹介しますが、今回は新しい試みも行なう予定です。本件のように企業でのラフ集合の応用研究も少しずつ進展しています。なお、本件の研究成果は投稿論文にすることも考えているようです。

ところで、私にコメントを求めるために、一年前もパナソニック電工も来校して、彼らが行なったラフ集合の応用研究を説明されました。まだまだ、私たちの出版物や投稿論文だけでは、実際に適用するのは難しいと思います。その応用研究の手法も事例を通じて改良してきています。最近では、京都工業繊維大学のデザイン系の学生が修士論文にラフ集合を用いてきています。書籍や投稿論文をもとに分析を行なっているようですが、かなり前の方法で行なっているのが残念です。そのため、私のホームページで最新の方法も解説しないといけないかとも思っています。
そのような折に、海文堂出版から拙著の「ラフ集と感性」の改訂3版の依頼がありました。この本は、2004年に刊行の日本で最初のラフ集の書籍です。まだ昨年刊行した拙著「ラフ集の感性工学への応用」が2冊目でしかありませんが、・・・。なお、専門書ですので、爆発的には売れませんが、コンスタントに購入されているようでロングセラーの道を歩んでいます。蛇足の裏話ですが、専門書のロングセラーを「天使の囁き」と呼び、一般書のベストセラーを「悪魔の囁き」と呼びます。前者は説明無しで理解できると思いますが、後者は、爆発的に売れていると思い沢山印刷すると、あるとき、ぴたっと売れなくなることがあるそうです。その際は出版社は山のような在庫を被ります。